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院長の臨床メモcolumn

2012.06.16

クリニックたより第11号~透析中の運動 略してI-TEQ !!

6月で季刊号のクリニックたよりが第11号発刊となります。

看護師は「エネルギー」、技士は「抗凝固剤」についてです。

スタッフは早々に作成し、先週には書き終えていました。

締め切りは先週末でしたが、すでに先々週末にはおおよそ出来上がっていました。

本当にすることが早くて、まじめで、素敵なスタッフです。

それに引き換え、私は閉め切りすぎて昨日完成しました。

医師(私)の記事は下記の通りです。

図や写真は除いています。

透析中運動トレーニングを勝手に「I-TEQ」と名付けてしまいました。

Intradialysis Treaning and Excise for QOL の略です。

いい略語はないかなあと思いながら、勝手に名付けてしまいました。

患者さんに浸透していけばいいのですが。

こちらも試行錯誤でまだまだというのが実情です。
↓↓↓

 ●透析中の運動・トレーニング(I-TEQ)について

「透析中??」…間違いではないのか?と思われる方もいらっしゃると思います。本当に透析中の運動というのが最近実践されつつあります。

透析時間は『床についている時間(down time)』と呼ばれ、透析時間の過ごし方は世界共通してテレビ観賞や睡眠の時間に使われています。現実問題として『運動不足』、『体力の低下』、『歩きにくさ』を実感している方は多くいらっしゃいます。

当院では『down time』を利用し、患者様の元気を継続して頂くことを目的として透析中の筋肉トレーニング(運動)を開始することとなりました。

<透析中トレーニングの効果と期待>

●下肢筋力や歩行距離の増加

●『運動した』という満足感

●『動いていける』という自信

●認知症予防

●大脳の前頭前野(脳の司令塔)の活性化

●心臓の働きがよくなる。

●透析効率のアップ

●シャントが発達する。

●貧血がよくなる。

<使用する運動用具>

・ルームサイクリング

・トレーニング用ゴムチューブ

・ハンドグリップ

<使用する筋肉>

・ルームサイクリング⇒⇒⇒お尻、太ももの筋肉

・チューブトレーニング⇒⇒⇒腕、肩、お尻、太ももの筋肉

・ハンドグリップ⇒⇒⇒腕(特に前腕)

<透析中トレーニングの実際>

安全性を考慮してトレーニングは透析開始2時間以内に行います~

① ベッド上でストレッチ(股や太ももを伸ばしておきましょう)

② ルームサイクリング(負担が少ないレベルと時間で始めましょう)

③ 御希望に応じてチューブトレーニングとハンドグリップを行います。

*トレーニング後あるいは、帰宅後に軽くマッサージあるいはストレッチをしておいてください。

 *運動療法の可否に関しては医師が判断致します。

●運動療法が可能な方

①透析導入後4カ月以上

②透析開始時から血圧が不安定でない

③重篤な心臓疾患がない

④重篤な整形外科的疾患がない

⑤認知症がない

●ルームサイクリングの実際

・実施時間:5‐30分間

(無理をしない程度)

・速度:時速3-6kmの補助作用があり、楽にサイクリングできます。

(自信のある方は補助の必要性がないと思われます。)

●運動強度の目安

・Borg指数:13以下
 ⇒⇒⇒「ややきつい」くらいです。

●スタッフの観察項目

・顔色

・呼吸数

・血圧

・心拍数

・下肢の状態(こむら返りなど)

・心電図モニター管理(初回のみ)

●IDETを中止する目安

・運動前の血圧が180mmHg以上

・心拍数90以上

・体調の優れないもの